チェ・ゲバラ
チェ・ゲバラ、<本気で世界を変えようとした男>である。彼についてはあまりにもよく知られていて、あまり細かく紹介する必要はないだろう。
人間の感情は時として脈絡のないものだ、まるで性欲のように…。昨日のことだった。僕は鳩山総理が国連でCO2削減目標などの演説しているのをテレビで見ていた。話の内容は耳をスルーし、僕の眼は演壇の後ろの青緑の石壁を見ていて直感的にチェ・ゲバラを思い出した。1964年、同じ演壇でチェ・ゲバラが演説していたシーンを以前見た映画の記憶が蘇った。
石壁は色も形も変わっていなかった。違うのは日本の総理が、過去に例がないキチンとした演説をしていることだけだった。過去の総理は漢字を読めなかったりしていたが、鳩山由紀夫さんは分かりやすい英語で話しかけていた。世界に対して歴史的な発信とも言える。
チェ・ゲバラの評価は様々だ。しかし、偉大な革命家であったことは事実だ。キューバ人ではないが(アルゼンチン生まれ)、一部の産業資本家が理不尽に貧困層をバタバタ死なせている現状に業を煮やした。フィデル・カストロと手を組みキューバを救った。そもそもゲバラの思想は「マルクス・レーニンによる共産主義」とはまったく異なるものだった。しかし、来日した時も時代的な背景もあり、新聞などでは大きく取り上げられなかった。
日本人は穏健で勤勉で利巧な民族である。草食的で自己を犠牲にしても「世間体」などにこだわる一面も持ち合わせている。ウサギや羊などに似て群れを大切にして暮らすという部分も垣間見られる。だから、テロりスティックなゲバラなどは受け入れにくいのかもしれない。ゲバラが日本に来た時、「日本人はアメリカに、なぜ原爆の責任を迫らないのか?」といった言葉が印象的だ。彼は大阪に宿泊した時、夜中にそっと抜け出して広島に列車で向かった。そしてヒロシマの平和記念館などを訪れている。
日本では旧政権下では<天下り>などという理不尽なことが堂々と行われていた。今も事件化しているが、政府の補助金を毎年交付してきた精神障害者団体が、自民党の政治家に裏金を渡していたという報道(全精社協事件)が伝わってきている。カネに関して一蓮托生の姿はかつてのキューバとなんら変わりない。しかし、穏健な羊たちはじっと息を殺している。とにかく、『余計なこと』には口を挟まないのが民族的しきたりなのだ。天下りには文句こそ言え天誅を加えることはなかったが、これからは少しづつ改善されるのだろうか。
鳩山総理が国連で立派な演説をした、チェ・ゲバラが35年前に立ったと同じ演壇で。民主党は血を流すことなく「政権交代」という小さな小さなリボリューションを果たした。これから内容が伴わなくなったり、かつての自民党政権の時のように腐敗臭漂う国土に戻すなら、それこそチェ・ゲバラのような反乱軍が必要となるだろう。







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